実家の方が賃貸より良かった!10代・20代に何が起きている?

実家の方が賃貸よりよかった!10代・20代に何が起きている?

リクルート住まいカンパニーが「2018年度 賃貸契約者動向調査」を発表した。2018年度に賃貸住宅に入居した18歳以上の男女を対象に調査したものなのだが、若い世代は賃貸住宅より実家のほうが、住み心地が良かったと考えているようだ。詳しく見ていくことにしよう。【今週の住活トピック】
「2018年度 賃貸契約者動向調査」を公表/リクルート住まいカンパニー

10代・20代では新居の賃貸より実家のほうが、住み心地が良い?

調査は全国を対象に実施されているが、リリースでは首都圏の結果を分析した項目と全国の結果を分析した項目を紹介している。

まず、首都圏で、住んでいる賃貸住宅で実際に利用している設備の満足度を見ると、画像1のようになった。

設備に対する満足度 上位20項目(首都圏の各設備利用者/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2018年度 賃貸契約者動向調査」より転載)

設備に対する満足度 上位20項目(首都圏の各設備利用者/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2018年度 賃貸契約者動向調査」より転載)

2018年度については、「24時間出せるゴミ置き場」(68.3%)を筆頭に、賃貸住宅の設備に関する満足度は高いようだ。特に、「室内干し」(62.9%)は前年・前々年より大きく上昇しており、共働きで日中に家にいないからだろうが、2人世帯に満足度が高いのが特徴だ。

ただし、実際に利用している人に満足度を聞いているので、満足度が高い設備が賃貸住宅で普及しているというわけではない。設備ごとで利用者が多いのは「エアコン付き」「独立洗面台」「都市ガス」「TVモニター付インターフォン」「インターネット接続可(有料の個別契約が必要)」「温水洗浄便座」「追い焚き機能付きの風呂」などだ。
満足度が上位でも、「二重サッシ」「遮音性能の高い窓」「断熱・遮熱性能の高い窓」「アクセントクロス」「スマートキー」などでは、利用者は少なくなる。

次に、全国で、「今回契約した賃貸物件と以前住んでいた実家の満足度」を比較した結果(画像2)を見よう。

年代別 今回契約した物件への満足度合い(単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2018年度 賃貸契約者動向調査」より転載)

年代別 今回契約した物件への満足度合い(単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2018年度 賃貸契約者動向調査」より転載)

注目したいのは、10代・20代の若い世代では、今回契約した新居(賃貸)より実家の方が、満足度が高い点だ。

もちろん、40代以上のほうが高い家賃を負担できるので、性能の高い賃貸住宅を選べるということもあるのだろう。一方で、実家の建築時期で見ると、2001年以降に建築された持ち家の実家で満足度が高いことから、実家の性能の違いの影響が大きいことがうかがえる。

建築時期を2000年前後で区分けしているのは、耐震性や省エネ性、遮音性などを共通のルールで表示する「住宅性能表示制度※」が、2000年10月から本格的に運用開始されたからだ。この表示制度は任意の制度なので、必ず新築時に表示しなければならないというものではないのだが、住宅の性能に対する関心が高まって、新築住宅の性能のレベルを引き上げたといわれている。
※既存(中古)住宅は2002年12月から運用開始

なお、実家が引越しをしている場合は、主に小中学生のときに住んでいた住宅について調査しているということなので、10代・20代の若い世代の実家ほど、2001年以降建築された性能の高い住宅である可能性が高いわけだ。性能の高い実家に住んでいた経験を持つ若い世代に、賃貸住宅の性能に不満を感じる人が多いと考えてよいだろう。

居室の広さ、バストイレ別、クローゼットの有無……あなたはどっちを選ぶ?

再び首都圏の分析結果に戻るが、今回、間取りや仕様などのプランの違うものを「二者択一」で選択させる調査をしていて、その結果がイマドキなので紹介したい。

まず、部屋探しの決め手になるのは、ダントツで「家賃」、次に「路線・駅やエリア」「最寄駅からの時間」といった立地条件となる。今回の調査結果でも、同じ結果が出ている。となると、家賃の制約条件のなかで、広さや設備をどう比較検討するかということになる。

他方、最近のひとり暮らしの部屋選びでは、バス・トイレ別が好まれ、トイレ・バス・洗面一体の3点ユニットは嫌われる傾向にある。そこで、今回の調査では画像3のような比較でどちらをより選びたいか聞いている。

【広い居室+バストイレ一緒】VS【狭い居室+トイレ独立】(首都圏のひとり暮らし/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2018年度 賃貸契約者動向調査」より転載)

【広い居室+バストイレ一緒】VS【狭い居室+トイレ独立】(首都圏のひとり暮らし/単一回答)(出典:リクルート住まいカンパニー「2018年度 賃貸契約者動向調査」より転載)

この結果を見ると、ひとり暮らし全体では、バストイレ一緒でも居室の広い【A】6畳+3点ユニットのほうが選ばれているが、学生に絞ってみるとその差は僅差になり、【B】3畳+ロフト+バストイレ別を「必ず選びたい」という人が多くなった。バストイレ別が決め手なのか、物を持たないミニマムライフを好むために狭い部屋を許容しているのか、というのは不明だが、社会人とは選択基準が異なる点が興味深い。
ほかには、クローゼットありに軍配が上がる結果も出ている。
→【A】6畳+トイレと洗面台が一体+クローゼットあり>【B】6畳+トイレと独立洗面台+クローゼットなし

また、2人家族については、居室の広さが選ばれる傾向があった。
→【A】6畳+LDK(10.5畳)>【B】4.5畳+LDK(12畳)
最近はLDKに広さを求める傾向にあるが、さすがに4.5畳の居室は狭すぎるということだろう。

意外に居室の広さの影響が大きいという印象を持ったが、居室が3畳や4.5畳は狭すぎるということもあるのか、長くいる居室の重視度が強いということなのか、いろいろと考えさせられる結果だ。

さて、住まい選びは総合的に評価するものなので、予算、希望の広さ、立地、プランなどを相対的に比較検討することになる。暮らし方や好みが反映されることもあるだろう。一方、住宅の性能は住み心地に大きく影響する。住んでみてからその違いを実感することが多いが、性能が高い住宅は建築費用もかかる。となると、家賃に影響する。

このように、総合的に評価することは意外に難しい。無理のない予算はいくらか、そこでどういった暮らし方をするか、その住まいは何を備えているか、広さや立地、仕様などの何を重視すべきか、といったことを冷静に見極めることが大切だ。

引用元: suumo.jp