インフラツーリズムってどんなもの? 夏休みに体験してみよう

インフラツーリズムってどんなもの?夏休みに体験してみよう

国土交通省が「インフラツーリズム」に力を入れている。ポータルサイトの開設や手引きの作成などを行って、さらに見学者数を倍増させるプロジェクトを始動させた。これによって、インフラツーリズムの件数の増加や内容面の充実が期待できる。夏休みには、涼しげなインフラ施設を見に行くというのはいかがだろう?【今週の住活トピック】
「インフラツーリズム魅力倍増プロジェクト」始動/国土交通省インフラツーリズムとは、ダムや治水施設などを見たり体験したりすること

そもそも「インフラ」とは、インフラストラクチャー(infrastructure)の略で、「産業や生活の基盤として整備される施設」をいう。国土交通省でいうインフラとは、国や地方自治体が管理している道路や橋、トンネル、ダム、下水道、港湾、空港などの施設。ツーリズムとは、地域の風景やイベント、観光施設を見たり体験したりすることなので、「インフラツーリズム」とは、橋やダム、下水道などの施設を見たり体験したりすることだ。

見学者にとっては、普段見られない施設の内部を見学でき、防災や治水、交通システムなどを学べるという魅力がある。かたや国土交通省の狙いは、インフラを観光資源として活用することで、地域経済の活性化や雇用機会の増大につなげられるという点にある。

国土交通省では、2016年にインフラツーリズムを紹介するポータルサイトを開設し、情報発信を行ってきた。インフラの管理者と旅行会社などが調整して実施する民間ツアーも増えつつある。

国土交通省の「インフラツーリズムポータルサイト」

国土交通省の「インフラツーリズムポータルサイト」

実際に、インフラツーリズムで見学者を多く集めている施設もある。埼玉県春日部市の「首都圏外郭放水路」がその事例だ。治水施設として地下に巨大な調圧水槽を擁するが、その荘厳さから「防災地下神殿」と呼ばれている。地下神殿のブランディングを強化する一方、見学会の運営を民間会社に委託し、コースを増やしたり土日祝日にも開催したりして見学者枠を増やした。映画やテレビのロケ地としても使われ、海外からの見学者も多いと話題になっている。

「防災地下神殿」と呼ばれる首都圏外郭放水路(出典/国土交通省「インフラツーリズム有識者懇談会」の資料より転載)

「防災地下神殿」と呼ばれる首都圏外郭放水路(出典/国土交通省「インフラツーリズム有識者懇談会」の資料より転載)

こうした人気のインフラ施設がある一方で、魅力を活かせていない施設も多くあることから、国土交通省では2018年11月に「インフラツーリズム有識者懇談会」を設置し、さらなる拡大に向けて議論を重ね、「インフラツーリズム拡大の手引き(試行版)」を作成するなどの活動を行ってきた。

さらに、2020年に向けた「インフラツーリズムの魅力倍増プロジェクト」の一環として、5カ所のモデル地区を選び、地域との連携や国内外への広報などの社会実験を行うと発表した。

インフラツーリズム魅力倍増プロジェクトのモデル地区(出典/国土交通省)

インフラツーリズム魅力倍増プロジェクトのモデル地区(出典/国土交通省)

夏休みにはインフラツーリズムが数多く開催される!

見逃せないのが、この夏開催される旬のインフラツアー全437件を「インフラツーリズムポータルサイト」に掲載していることだ。

具体的にどんなツアーがあるか、筆者が住む関東地方を例に見てみよう。
まず、施設管理者が行う「現地見学」を見ると、東京都の「国営東京臨海広域防災公園」(江東区)の防災体験施設の見学に始まり、各県の各地のダムのほか、運河・水路、河口堰、治水施設、下水処理場、灯台といった施設が見学できることが分かる。普段は公開されていない内部に入れるのは、興味深いだろう。

さらに「民間主催ツアー」(有料)を見ると、湯西川ダム・川治ダム、川俣ダム、八ッ場ダム、浦山ダムの見学ツアー(カヌーや遊覧船に乗るツアーもある)、首都圏外郭放水路や東京湾アクアライン・海ほたるの海底トンネル、成田国際空港、羽田空港、ネクスコ東日本、第ニ海堡などの見学ツアーが紹介されている。

また、ダム見学では、「ダムカード」(表はダムの写真、裏はダムの形式や貯水池の容量などの基本情報を掲載したカード)を集めるといった楽しみもあるようだ。

ほかの地域にもそれぞれツアーが用意されているので、掲載されているURLなどから詳しい内容を確認するとよいだろう。

ダムといって最も有名なのは、関西電力の黒部ダムだ。筆者も2017年の夏に訪れた。観光・見学をかなり意識しているのだろうが、観光用の放水ではその水量の迫力や虹の美しさは圧巻だった。展望台や遊歩道、観覧船も整備され、観光しやすい環境が整っているのも黒部ダムの特徴だ。周辺の観光スポットと組み合わせて、宿泊しながらの旅行としても楽しめた。

暑い夏こそ、地下やトンネル、水辺などの涼を求めて、家族でインフラツーリズムへの参加を考えてみてはいかがだろう。

●参考
国土交通省「インフラツーリズムポータルサイト」

引用元: suumo.jp