Tポイントサービスを使っている賃貸不動産会社メリットとデメリット

株式会社Tポイント・ジャパンの共通ポイントに加盟する賃貸不動産会社が増えています。

アットホーム株式会社は、同社サイトの掲載物件を対象に「フォームからの物件問合せ1件につき100ポイント」を付与するサービスを2013年に開始しています。また、株式会社レオパレス21は自社ブランドのクレジットカード「Tカードプラス(レオパレスメンバー)」を2017年より発行、「月々の家賃決算で200円につき1ポイント」を付与しています。その他、「契約成立で13,000ポイント進呈」など高額ポイントを付与する企業や仲介手数料の100~200円につき1ポイントを付与する企業もあります。その中で、最も目にするのは仲介手数料に対するポイント付与です。

共通ポイントの仕組みと加盟のメリット

共通ポイントの仕組みは次のようになっています。加盟店は運営会社から購入したポイントを顧客に付与します。顧客が自社でポイントを利用した場合は、そのポイントを運営会社に売ることで現金化できます。運営会社はポイント売買の手数料や加盟料、システム利用料などでポイントプログラムの運用を行うのです。
賃貸不動産会社における共通ポイント加盟の最大のメリットは、異業種間の相互送客による新規客の獲得でしょう。Tポイントカードを持つ消費者が同物件を取扱う2社を比較した際、「Tポイントが貯まる〇〇不動産で契約しよう」と考える可能性は高くなります。また、事業規模によっては、独自のポイントプログラムを構築管理するより共有ポイントに加盟した方が安い点もメリットといえます。

加盟における留意点

一方、運営会社が加盟店に提供する利用客の分析データは、賃貸不動産会社において必ずしも大きなメリットといえません。分析する手間が省けるという点ではメリットといえますが、分析対象は自社利用客に限定されます。また、ファミレスなどが行うレシートへのクーポン掲載サービスは、ほぼ利用しないでしょう。自社が付与したポイントが自社で使われるとは限らない、という点については、共通ポイントの特性でもあるため割り切った方が良いと考えられます。

また、留意したいのは共通ポイントでは加盟店の顧客全てが囲い込み対象となる点。共通ポイント加盟前のライバルは近隣の同業他社であるのに対し、共通ポイント加盟後のライバルは他の共通ポイント(楽天ポイントやPONTA等)に加盟する近隣の同業他社となることです。つまり、近隣の同業他社が加盟する共通ポイントに加盟する場合、それら企業に勝るマーケティング戦略を行わない限り、自社への顧客囲い込みは困難ということになります。

共通ポイント活用、今後の方向性

共通ポイントは当初、他社との差別化につながるとも言われましたが、加盟店の増加により画期的な差別化は難しくなっています。不動産業界においては既に「問合せ時」、「成約時」、「成約後」、「高額ポイント」といった差別化が図られています。これを勝る戦略を打ち出せるか、何を目的に加盟するのかを事前にしっかり検討することが必要になってきます。

また、一般的に共通ポイントは、商品ごとの差別化が難しいコンビニやチェーン展開するコーヒーショップなど、客単価が低く利用頻度は高い業種で継続的な高い効果を発揮し、独自性の高いサービスを提供する美容院や飲食店は独自ポイントの方が良いといわれています。賃貸不動産会社においては、自社の顧客ターゲット層や口コミ紹介率、地域での知名度や他店舗展開の有無などによって共通ポイントに対する見方が変わってくるでしょう。

最終的には、運営会社のネームバリューとビッグデータを自社がどこまで活用できるかが鍵といえる共通ポイント。自社独自のポイントカードやポイントなしという選択肢も含め、自社の強みを最大限に生かせる戦略を立てることが重要といえます。