住みたい部屋に収納がない……!  それでも快適に暮らす方法はある?

住みたい部屋に収納がない…! それでも快適に暮らす方法はある?

駅近でエリアもよく、部屋の広さもバッチリ! なのに、「収納がないから……」という理由で物件を諦めたことはありませんか? クローゼットや押入れがなくても心地よく過ごせる、お部屋づくりの方法はあるのでしょうか。整理収納アドバイザーのkomugiさんにお話を伺いました。
14m2で収納なし! 快適に暮らす工夫とは?

以前、komugiさんは都内で14m2のワンルーム、収納なしの物件に住んでいたそう。現在はクローゼットのある物件に住んでいますが、それでも18m2で広いとは言えません。

【画像1】今回お話を伺ったkomugiさん。自身の経験を活かし、整理収納アドバイザー1級の資格を取得(写真撮影/浅野智恵美)

【画像1】今回お話を伺ったkomugiさん。自身の経験を活かし、整理収納アドバイザー1級の資格を取得(写真撮影/浅野智恵美)

【画像2】14m2のときのkomugiさん宅の間取図(画像提供/komugiさん)

【画像2】14m2のときのkomugiさん宅の間取図(画像提供/komugiさん)

収納がないことの最大のデメリットは、服や物の置き場がない、特に目に付かないところにしまっておきたいモノを隠すところがない、ということでしょう。
それでもkomugiさんは「収納なし物件ならではの魅力もある」と話します。

「モノが仕舞われずに外に出ていると、いつも目に付くので自分の好みも分かるようになりますし、部屋に置くモノ自体も厳選されます。見せる収納が好きな方にもオススメです。また、やはり収納が必要だと思えば『自分の好きな位置に必要な大きさでつくることができる』というのは意外と大きなメリットなんです」(komugiさん)

その言葉どおり、収納のない部屋に暮らしていたときにKomugiさんが収納とインテリアの両方の視点から活用していたのが「有孔ボード」でした。有孔ボードとは、等間隔で穴が開けられた板で、ホームセンターなどで購入できます。好きな位置に収納をつくることも出来ますし、フックなどでお気に入りのものを吊るせば見せる収納も楽しめます。

【画像3】収納はもちろん、好きなインテリアを飾ることもできる。狭いお部屋にとって壁は貴重なスペース(画像提供/komugiさん)

【画像3】収納はもちろん、好きなインテリアを飾ることもできる。狭いお部屋にとって壁は貴重なスペース(画像提供/komugiさん)

狭くても、自分好みの空間はつくれる!

自由に使えるスペースがなかなか確保できない広さのお部屋でも、何とか快適に暮らせる空間をつくりたいもの。そのポイントは「イメージに合わないモノ、ミスマッチなモノは取り除くこと」とkomugiさんは言います。そうすることで、お気に入りのインテリアも引き立つそうです。

「どんな部屋にしたいのか、イメージが漠然としている人は、まずインターネットなどで『この部屋いいな』と思う画像を探し、ストックしてみてください。自分の好みの傾向やテイストが把握できます。
テイストが決まったら、家具など買い替えが簡単にできないものは、色を変えるだけでも全体のお部屋の雰囲気に馴染ませることができたりします。リメイクシートやマスキングテープをうまく活用するのがオススメです」(komugiさん)

【画像4】現在のkomugiさんのご自宅。扉の印象を変えるために、クローゼットに白いマスキングテープを貼ってある(画像提供/komugiさん)

【画像4】現在のkomugiさんのご自宅。扉の印象を変えるために、クローゼットに白いマスキングテープを貼ってある(画像提供/komugiさん)

また、キッチンが狭いとよくある「冷蔵庫や食器を置く場所がなく、部屋に置かざるを得ない」というケース。そんなときはエリアを決めてあげるといいそう。

「このエリアには冷蔵庫やお皿などキッチン関連のモノを置く、クローゼットの近くにはベッドを置く……といったように、目的別に分けてあげるとスッキリします」

「もしスペースに余裕があれば、細身の収納棚で区切ってもいいですね。背面のないものだと圧迫感も少ないですよ。また、部屋の中に太陽の光が入ると広く見えるので、ベッド周りを区切りたければ、薄い布を活用して天井から吊るすなどもオススメです」(komugiさん)

ひと工夫と毎日の習慣で「ため込まない」お部屋に!

収納のない狭い部屋で快適に暮らすには「モノをため込まない」ことがキーワード。モノに対して思い入れが強い方は、捨てられずにためる傾向にあるのだそう。

「モノを手放すのは罪悪感を覚えやすいものですが、『またどこかで使えるかも』『〇〇すれば使えるかも』と無理矢理シチュエーションを考えてしまうようなら、本当に必要かどうか、モノとの今後の付き合い方を考えてみてください」(komugiさん)

そこでkomugiさんが実践する、モノをためないコツを伝授していただきました。

●ポイント1:あえて目に付く場所に置く
まだスペースがあるし……と、ついモノをためてしまう方は、モノを「目に付く場所」に置くのがポイント。

「時間をおいて、自分が使っているかを都度確認します。また、あえて邪魔だと思う場所に置いてみるのも効果的です。使っていないモノをいちいち避けて通ることになるので、自分にとって必要なモノかどうかを考えるキッカケになります」(komugiさん)

●ポイント2:引き出しの中は常に8割をキープ
引き出しや収納グッズの中はパンパンにモノを入れておくのではなく、あらかじめ余裕を残した状態にしておくと良いのだそう。

「2割の空スペースを『一時置き場』にすれば、そこだけの管理で済みます。疲れているときなどはその一時置き場に仕舞っておいて、後で自分のペースで片付けるのです。
買い物をして帰って来たばかりのタイミングで、それをどこに片付けるかということまで考えて動くのは億劫だったりします。ある程度モノの位置が決まっていると、考えなくても自然と体が動いて片付けが終わりますよ」(komugiさん)

●ポイント3:買いだめに注意
「切れてしまったらイヤだからストックしておきたい」、「特売で安いから」……つい食品や日用品は買いだめしたくなるもの。ところが、余計なストックが増えれば、当然、部屋の中にそれを置けるスペースが必要になります。

「収納にとって一番の敵は『不安』と『お得感』による買い物です。自分の生活に合わせて必要最小限の買い物をするために、自分が何を持っていて、どれくらい使うのかを把握したうえで買い物に出かけてください」(komugiさん)

●ポイント4:モノではなく「自分」を基準に考える
意識していないと「これ買ってきたけど、どこに片付けよう?」「どうやって使おう?」と、モノに振り回されがちになるとkomugiさんは言います。

「自分にとって今これが本当に必要か、ブレない軸を持つとモノは増えづらくなると思います。買う前に、置く場所や飾る場所があるか考える。ビジョンを持つことが大事です」(komugiさん)

●ポイント5:外出から戻ったらバッグの中身を全部取り出す
Komugiさんは外出から帰った際、一度荷物を全て取り出し、不要なモノがないかチェックするそうです。

「例えばレシート1枚でも、外から帰ってくると何かしら増えていると思うんです。それが積み重なって荷物が増えていきます。同じバッグを次の日に使う場合も、一度中身を全部取り出して入れ直すことを習慣にしてみてください」(komugiさん)

●ポイント6:使っていないモノを可視化する
「例えばバッグなら、収納がないときは壁に掛けて、まんべんなく全てのバッグを使いやすいようにします。動いてないバッグは使ってないと一目で分かります。
この方法は、本などにも応用可能です。本棚から取った本は一番右に戻す、と決めて片づけると使用頻度の低いモノは左端にたまっていきます。時間のあるときに左端のものから処分すればいいのです」

もちろん、モノに対する価値観は人それぞれ。使っていなくても、取っておきたいモノもあります。

「大切なモノは無理に捨てる必要はありません。もし厳選できるようなら、その中でも特に大切なモノだけを残し、ほかは写真に収めるなどして手放す、というのも方法の一つです」(komugiさん)

「本当に必要な収納グッズ」を見極める!

クローゼットがないから「収納グッズを買って何とかしよう!」と考えがちですが、そこには落とし穴があります。「収納グッズを買うということは、その分モノが増えるということ」だとkomugiさんは指摘します。

「収納グッズを先に買ってしまう方も多いですが、順番が逆です。まず持っているものを把握し、何を収納するのかを考える。収納グッズを買う前に、置く場所や仕舞うモノのサイズを必ず採寸し、どんなサイズの収納が必要なのかをきちんと把握しましょう」

また、収納に関しては値段が多少高くても「使いやすさ」を重視することがポイント。komugiさんは、めぼしい収納グッズが見当たらなければ、段ボールで一時的な代用品をつくってしまうそうです。

「少し見栄えは悪いですが、自分に必要な収納の大きさや、置く場所のイメージがしやすくなります。私の場合、大きな引き出しなどの収納は大抵段ボールで試作品をつくり、ちょうどいいものが見つかるまではそれで代用します」

例えば、飼い猫のエサなどの収納にはまとめ買い用に商品が入っていた箱をそのまま活用しているそうです。「引き出しの中は自分しか見ませんから。あまり気張りすぎず、見えないところは適度に手を抜くのも、普段から散らからない部屋をつくるポイントです」(komugiさん)

【画像5】箱を活用した収納なら、躊躇なく捨てられるというメリットも(画像提供/komugiさん)

【画像5】箱を活用した収納なら、躊躇なく捨てられるというメリットも(画像提供/komugiさん)

工夫次第では、収納なし物件でも自分らしく快適に暮らせそうですね。もし、気に入った物件に収納が見当たらなくても、諦める前に一度、今回ご紹介したような方法を活用して住んでみることを検討してみてはいかがでしょうか。

●取材協力
整理収納アドバイザー komugiさん

引用元: suumo.jp