【あるある?】スタッフの使い込みが発覚したら

万が一のことも考えておきましょう

一般的に社会は相互の信用やルールの上に成り立っているので、社会人として生活している中でほとんど起こりませんが、中にはお金の誘惑に負けて、業務上で手にしたお金を着服…なんてことも世の中では稀には起こるかもしれません。特に不動産仲介業では横領事件が多発しているので、経営者の方々は頭を悩ませているかもしれません。今回はケーススタディを通して、横領や着服について学ぶことで、万が一の事態に備えましょう。

手付金を横領された!

Aさんは共働きで主人と一緒に働きながらアパートを借りて生活していました。この度、子供ができたので、夫と相談して、新築のマイホームを購入することになりました。
近所の不動産仲介業者さんにお願いして、条件に合っていそうな物件をいろいろ見せてもらうことにしました。近所の不動産仲介業者さんでは比較的若い方が営業を担当してくれました。

いろいろな物件を回るうちに、Aさんたちが思う条件におおよそ見合う物件が見つかりました。すぐに売買契約をし、手付金として100万円を渡しました。

いつまでたっても連絡がこない!

ところが、手付金を渡してから、不動産仲介業者からの連絡がぱったり来なくなりました。しびれを切らせて、Aさんから連絡してみると「まだ返答がない」の一点張りでした。

あまりの対応の遅さに不安を感じ、弁護士立会いの下で不動産仲介業者の担当の方と話し合いをすることになりました。よくよく聞いてみると、審査はまだ終わってないという話とは別に、特約の期間がもうすぐ切れるとのことでした。特約が切れて審査がおりなかった場合には手付金は戻ってこないことになります。Aさんは慌てて解約を申し出たのです。

使い込まれてしまった手付金

ところが、不動産仲介業者の若い営業担当者はすでに手付金として渡した100万円をすでにギャンブルで使ってしまったというのです。いうまでもなく、横領でした。Aさんはすぐに契約を解除し、不動産仲介業者に返金を要求することにしました。

横領が発生してしまったら

それでは従業員による横領が発覚してしまったら、経営者はどのように対処すればよいのでしょうか。従業員の行動は、当然に懲戒解雇されるべき事案ですが、十分な手順を踏まずに懲戒解雇をしたことで、逆に従業員から訴えられ、多額の支払いを命じられてしまうことさえあるのだそうです。

こうした事態を避けるためには、万が一に備えて、就業規則で懲戒解雇に関する事項を明確に規定しておきましょう。もし横領が発生しまった際には、横領の事実を示す領収書を提示するなど確実な証拠を十分に押さえておくことが重要でしょう。また横領したお金は横領した従業員の責任ですので、従業員自らが返済するように支払い誓約書を提出してもらうべきでしょう。横領の事実を本人が認め、支払いが確約されたうえで懲戒解雇通知を交付するということになります。

おわりに

不動産の横領についてケースをあげて考えてきました。不動産では他の業種と比べて現金でのやり取りが頻繁であるために、金銭のやり取りにより高い倫理観が必要になるのかもしれません。通常の営業行為で横領行為は帳簿で発覚するはずですが、経営者が思いもしない方法で従業員が横領を企てるかもしれません。そうした場合、従業員本人だけではなく、上司や経営者の管理責任までも問われることになりかねません。経営者としては、あらかじめリスクヘッジの手段として、懲戒解雇のための就業者規則を整えておくことや、経営理念や実現するべきビジョンを周知徹底し、従業員を十分に教化しておく必要があるのかもしれません。