地方で中古物件が二束三文で取引されているわけ

不動産業界の慣習として、一戸建ては築20年ほどで価値がゼロになると考えられています。これは税法上の法定耐用年数が22年であることを目安にしていることからです。実際には耐用年数を超える家でも住むことは可能ですが、日本では築浅の家ほど価値が高いという価値観が根強くあり、古い家は解体して更地にしたほうが売れやすいそうです。

かつては「どんな不動産にもいいところがある。売れない不動産はない」といわれていました。ところが近年は、すぐに処分したいにもかかわらず買い手がなかなか現われないために管理費用だけがかさむ「負動産」とも言われる時代になっています。

高齢化で増える中古物件

例えば、バブル期に開発された郊外のニュータウンなどでは、多くのエリアで空き家が続出して売り物件に買い手がつかない状況が続いています。開発当初は営業していた商業施設が撤退してしまっている街もあるそうです。郊外型のニュータウンでは住民の高齢化も進み、今後さらに買い手のつかない中古物件が増えるのではないでしょうか。近年の急速な高齢化という問題があり、日常的に介護や医療に依存し、自立できない団塊世代が高齢者向け住宅や施設に入って自宅を手放すことも増えていくことでしょう。このことによって、中古市場の需給バランスが変わることが予想されます。

中古より更地が好まれる

Aさんは過疎化が進む町で父母が亡くなったあとの家を相続しました。これを何とか処分しようと売りに出したのですが、5年間経っても全く買い手がつかなかったそうです。困り果てて自治体に寄付を申し出たのですが、自治体でさえタダでも引き取ってもらえなかったそうです。不動産屋さんに相談したところ「更地にすることで買い手がつくかもしれないね…」という話を聞き、思い切って古家を解体して更地にしてようやく買い手がついたということです。

更地にするためにも費用がかかります。木造の家屋の場合、解体のために坪当たり3万~5万の費用が必要になります。このため全体では100万円前後の出費になります。また更地になると固定資産税が6倍になってしまいます。更地ではなく中古物件であれば廃屋であっても住宅用地なので固定資産税が安く済むという理由も中古物件で販売される理由なのかもしれません。

地方で中古物件が増える

地方では買い手のつかない中古物件がさらに多くなると考えられています。地方の不動産会社では今は空き家の売却依頼が非常に多いそうです。地方の中古物件が二束三文で取引されているのには、複雑な事情があったんですね。