9月は“秋バテ”に注意? 家でできる予防策を紹介!

9月は“秋バテ”に注意? 家でできる予防策を紹介!

暑かった2018年、夏。ようやく少し気温が下がってきました。でも実は、この時期も体調管理に注意が必要。特に冷房を酷使した今年は、今ごろになって体調不良をおこしている人が多いのです。それが秋バテ。その原因を調査し、対処法を探りました。
自律神経が乱れることで起こる、秋バテの症状

2018年は猛暑を通り越した酷暑でしたね。7月23日、埼玉県熊谷市では最高気温が41.1度と、国内の観測史上最高気温を更新。

最近は少し暑さも落ち着いてきて一安心……と思いきや、身体のダルさを感じる方も多いのでは?暑さのピークは過ぎたのに、どうして? と不思議に感じるかもしれませんが、実はこの時期、秋バテに注意が必要なのです。

夏バテはよく聞くけれど、秋バテとは? 免疫やアレルギー疾患などに詳しい、医師の清益 功浩(きよます・たかひろ)氏によれば、秋バテの主な原因は、気温差による自律神経の乱れだといいます。

「暑い季節から涼しくなると交感神経が優位になり、逆に涼しかったのに暑くなると副交感神経が優位になります。ところが寒暖差が激しくなる秋には、気温による刺激が目まぐるしく入れ替わり、交感神経・副交感神経のバランスが崩れてしまいます。それがだるさにつながり、さまざまな体調不良が引き起こされるのです」(清益氏)

今年のような猛暑の後、秋口は気温差が大きく、例年より秋バテになる可能性も高そうです。さらに9月は依然残暑も厳しい季節。朝晩の気温が下がるものの、日中は真夏並みの30℃を超えることも多く、1日の寒暖差も激しくなります。

秋バテになりやすい気候の今、予防策はあるのでしょうか?

秋バテを防ぐために、エアコンで部屋が冷えすぎないよう注意する

秋バテの季節に追い打ちをかけるのが、強い冷房。夏の間に下げた設定温度のままだと、秋には低すぎます。冷えた室内環境が、体感する寒暖差を広げ、また朝まで冷房をつけっ放しにすることによって、睡眠中に体が冷えてしまうことも。

「エアコンの設定温度は本来であれば、28度ぐらいで十分。でも、エアコンの効きによっては、28度では暑すぎると感じる人もいるでしょう。そんな場合は設定温度を下げてもよいのですが、こまめに設定温度を変えたり、就寝時にタイマー機能をセットしたりして調節してください。部屋を冷やしすぎず、一定の温度を保つことが大切です」(清益氏)

今年の夏は冷房の設定温度を下げてもなかなか室温が下がらず、エアコンの設定を低めにしていた人も多いと思います。ところが夏の設定温度のままでは、秋になって室温が下がりすぎていたということになりがち。センサーやAIで室温を快適に保ってくれる高機能エアコンもありますが、一般的にはエアコン任せにしておくと、冷えすぎたり、蒸し暑いままになってしまったりと、なかなか適温になりませんよね。

「体が冷えると免疫力が下がるという問題もあります。睡眠をしっかりとって適度な運動をし、入浴時に湯船で体を温めるなど、免疫力アップの対策も必要です」(清益氏)

熱中症対策に必須の冷房。残暑が厳しいうちは活用するべきですが、寒暖差をつくりだしたり体を冷やしすぎたりという弊害もあるのですね。こまめに冷房をつけたり消したりすることも必要ですが、実はエアーコントロールが上手くいかない原因の一つに、家の構造問題があるようです。

夏に温度が上がりやすく、冷房が効きにくい。日本の住宅の問題点

実はエアコンの効き方には、家の構造も大きく関係しているそうです。「日本の住宅は断熱性能に問題があり、外気の影響を受けやすく、エアコンの効きも悪くなります」と指摘するのは、東北芸術工科大学の建築・環境デザイン学科教授で、設計事務所「みかんぐみ」の竹内 昌義(たけうち・まさよし)氏。省エネルギー住宅の専門家です。

「日本の住宅は、通気性を重視して断熱性を軽んじる伝統があります。『家の作りやうは、夏をむねとすべし』という『徒然草』の時代からの伝統があり、開放的な住宅が良しとされてきました。しかし現代日本の気候は、この文章が書かれた鎌倉時代に比べて格段に暑さが厳しく、夏も風通しがよいだけでは太刀打ちできません」(竹内氏)

断熱性の足りない家は、空気が常に家に入り込み、また逃げていきます。熱しやすく冷めやすく、またエアコンの空気が外に漏れるため、冷房も効きにくいそう。これでは、気温の高い日中は設定温度を低くしないと部屋が涼しくなりませんし、逆に外気が冷えると部屋が寒くなりすぎてしまう。つまり、家が秋バテを加速してしまうのです。

「断熱がしっかりした家は、外気の熱が侵入しにくいので、そこまで室内温度が上がりません。また室内の温度調節した空気をしっかりと保持してくれるので、冷房効率もよいのです。また夜間の冷房による寝冷え防止にも、断熱は有効です。日照がない夜に暑さがおさまらない原因は、コンクリートの蓄熱性。鉄筋コンクリート造の家は、昼間の熱射を溜め込んでしまうのですが、しっかりと断熱していればそんなことはありません。断熱性能の高い家は夏の夜の寝苦しさも、ぐっと緩和されます」(竹内氏)

温暖化が進んだ現代、地面をアスファルトに覆われた日本の気候には、昔ながらの家はフィットしない(画像提供/PIXTA)

温暖化が進んだ現代、地面をアスファルトに覆われた日本の気候には、昔ながらの家はフィットしない(画像提供/PIXTA)

今住んでいる家の断熱をアップして秋バテを防ぐ方法は?

冷房による冷やしすぎも防げて、さらにエネルギー効率も良い断熱住宅。しかしながら、日本の住宅は今のところ断熱住宅の基準を満たす住宅が少ないそう。

「国土交通省の資料によると、2020年に義務化が検討されている『改正省エネ基準』に達している家は、日本全体の5%程度です」(竹内氏)

つまり、今のところ日本の住宅のほとんどが、断熱性能が足りていないということ。一体どのようにすれば、現在住んでいる家の断熱性をアップして、上手に冷房と付き合えるのでしょうか。

「天井や窓から熱が入ってくるので、天井裏に断熱材を敷き詰めたり、二重窓にしたりするとよいですね。窓に関しては、断熱ブラインドを活用する方法もあります。その際は窓のサイズにぴったりと合ったものを選んでください。また、昔ながらの“よしず”*を立てかけるだけでも、効果はありますよ」(竹内氏)

*“よしず”とは、葦を編んだ日よけ。立てかけて使用する。

酷暑に冷房を使って熱中症を防ぐことは大切ですが、気候が変化する秋口にもエアコンを乱用する癖が抜けないと、今度は冷房のせいで体調を崩すこともあります。
冷房でのエアーコントロールに加えて、家の性能をアップする工夫や、免疫力を高める努力もして、健康的に新しい季節を迎えたいですね。

●取材協力
・All About 「医師 / 家庭の医学」ガイド 清益 功浩(きよます たかひろ)
・設計事務所「みかんぐみ」

引用元: suumo.jp